【読書レポート3冊目】言い訳 関東芸人はなぜM-1で勝てないのか(ナイツ塙 著)

彷徨うシカ
彷徨うシカ

こんにちは。シカです。今回は2019年8月14日に販売開始されてから2020年4月時点で8版も重版されているお笑いの名著「言い訳」についての読書レポートを書きたいと思います。

前々から読みたいと思っていた本でした。あの漫才を愛しているナイツ塙のお笑いに対する本です。

面白いに決まっています。本作では「お笑い脳」と自称しているナイツの塙です。

もう一度言います。面白いに決まっています。

ノンスタイルの石田が書いているお笑いへの本なども読んでみたいですね。

さてここから中身です。

概要

サンドウィッチマンの伊達さんが本の帯で

度が過ぎるくらい、おもしろい。何か、悔しくなる。

サンドウィッチマン伊達みきお

と、評しめた本作の概要は漫才の令和時代におけるバイブルとまで謳われています。

2018年、M-1審査員として名を轟かせた芸人が漫才を徹底解剖。

M-1チャンピオンになれなかった塙だからこそ分かる歴代王者のストロングポイント、M-1必勝法とは?

 「ツッコミ全盛時代」「関東芸人の強み」「フリートーク」などのトピックから「ヤホー漫才」誕生秘話まで、“絶対漫才感”の持ち主が存分に吠える。

どうしてウケるのかだけを40年以上考え続けてきた、「笑い脳」に侵された男がたどりついた現代漫才論とは?

 漫才師の聖典とも呼ばれるDVD『紳竜の研究』に続く令和時代の漫才バイブル、ここに誕生!

紳竜の研究に続くバイブルとは…

M-1とは漫才の聖地

本作の内容はナイツが挑戦し続けたM-1を軸にしたお笑い分析本です。M-1に優勝するにはどうするか考えているだけあってものすごく腑に落ちる内容が多いです。

まずM-1とは吉本が主宰している漫才のNo1を決める大会です。

お笑いの大会をいろいろありますが、やはりこのM-1は別格です。

キングオブコント、R-1、女芸人No1、、、、

いろいろありますが趣旨・中身・条件が絞られており競技みたいなものです。

R-1や女芸人No1は枠が広すぎてどうしても散漫になると書いてあり、「それだ!」と納得しました。

コントなのか漫談なのか、一発芸なのか落語なのか散漫になります。

それをM-1は漫才のみです。条件は結成10年目まで。(第2期から15年目まで)

分かりやすい。そして審査員が豪華。緊張感が伝わり、「漫才の聖地」と言われる所以がわかります。

導くフクロウ
導くフクロウ

キリスト教のエルサレム、イスラム教のメッカ、チベット仏教のラサも聖地と呼ばれておるな。

吉本の大会

M-1は吉本の大会になるので、どうしても上方漫才「しゃべくり漫才」に重きが置かれます。

私個人としてもそのようなイメージでした。それをしっかり文章にしていただいたなーと。

王道のしゃべくり漫才(日常会話)に対し、コント漫才。関西勢以外で優勝しているのはすべてコント漫才になります。

導くフクロウ
導くフクロウ

コント(conte)とはフランス語で短い寸劇を意味する言葉じゃな。そう聞くとおしゃれに思えてくるの。

M-1歴代優勝者

ここで歴代優勝者を整理してみましょう。

2001年「中川家」王道しゃべくり漫才(大阪吉本)
2002年「ますだおかだ」しゃべくり漫才(松竹芸能)
2003年「フットボールアワー」コント漫才(東京吉本)
2004年「アンタッチャブル」コント漫才(人力舎)
2005年「ブラックマヨネーズ」しゃべくりケンカ漫才(大阪吉本)
2006年「チュートリアル」しゃべくり妄想漫才(大阪吉本)
2007年「サンドウィッチマン」コント漫才(グループカンパニー)
2008年「NON STYLE」しゃべくり漫才(大阪吉本)
2009年「パンクブーブー」コント漫才(福岡吉本)
2010年「笑い飯」しゃべくりダブルボケ漫才(大阪吉本)
2015年「トレンディエンジェル」しゃべくり漫才(東京吉本)
2016年「銀シャリ」しゃべくり漫才(大阪吉本)
2017年「とろサーモン」しゃべくり漫才(大阪吉本)
2018年「霜降り明星」コント漫才(大阪吉本)
2019年「ミルクボーイ」しゃべくり漫才(大阪吉本)←New

となります。

15回大会のうち9回はしゃべくり漫才であり、12回は吉本が優勝です。

吉本が多すぎるだろうと批判があるようですが、単純なる層の厚さだと塙さんは書いています。

大会を毎年私も見ておりますが、歴代の優勝者に何一つ不満はありません。

ナイツの言い訳

このM-1への考え方を書いているのが1章で、2章にナイツ本人の話がありました。タイトルの通り言い訳でしたね。笑

ですがさすがに笑い脳というだけあって、理にかなった言い訳(分析)でした。

  • かけあっていない。
  • 小ボケ(最後に盛り上がりにくい)
  • 新しさが少ない(常連になると)

主には上述が理由でした。確かに常連となると期待値から爆発的な笑いは生まれにくいです。

そういう意味で笑い飯はよく優勝したなと思いますね。

面白い表現

あとは面白かった表現をまとめておきます。

  • 大阪のしゃべくりはブラジルのサッカーみたいなもの。
  • しゃべくりは喫茶店でのトークみたいなもの
  • 汚れは売れない「恰好は意識しろ」
  • 中川家の「仕上がってる」ってなんやねん(練習するな)
  • M-1は100m走(4分のネタのため)
  • 自虐ネタはフリートーク。ネタではない。
  • フリートークの無いネタはダウンタウンとウッチャンナンチャンが始めた。
  • 自虐はだめ。(宮殿の料理は、カップラーメンではだめ)
  • M-1の入りの理想は水泳の飛び込み。
  • 古今亭志ん生「存在そのものが面白い」高座で居眠り
  • 漫才は三角形「ボケ、ツッコミ、客」
  • かまいたちのタイムマシーンの漫才は点
  • とにかくネタを一本でも多く書く!!
  • 関東の日常言葉は感情を乗せにくい、そのようにつくられた
  • 絶対漫才感「ミキ」とか「澤部」
  • ネタは発明
  • ツッコミはストレートのキレがよい人+変化球(伊達、柴田)
  • R-1は異種格闘技・M-1は競技漫才
  • 突っ込むことと引くのは違う。引いてはいけない。
  • 関東弁だからできるツッコミ「南海キャンディーズ山ちゃん」

けっこうありますね。笑

すごい勉強になり、納得しました。やっぱりM-1は熱い。熱量がある。そこにしびれるあこがれる。

そして最後の方に天竺鼠の川原にも触れられていました。

すごい好きなので自分のことのようにうれしかったですね。

売れない理由もなんとなく書いてあるとおりかと。
(パサーがいない。扱いづらい。)

さてさて、話しがすごい散漫になってしまいました。

お笑いに関する名書は他にもあるのでぜひ確認してみてください。

まとめ

では最後に五七五で落としたいと思います。

M-1は

しゃべりの殿堂

良い伝統

彷徨うシカ

なんかちゃっちくなりましたね。。。

もっと厳かに書きたかったが文字数が足りないと「言い訳」を書いておきます。

本のタイトルが言い訳だけに!!!

他のまとめ五七五は以下にまとめていますよ。

記事:これまでのまとめ五七五

ではでは。

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