【名義変更】借り上げ社宅から個人名義に変更する際の注意点


転職をきっかけに借り上げ社宅から個人契約の賃貸になりましたが、そのときの注意点をまとめていきます。
単純に仲介会社の話を鵜呑みにしていると損をするぞい。

みなさんは賃貸の名義はどなたになっているでしょうか。
私は数年間、会社名義での借り上げ社宅に住んでいました。
転職を機に会社名義から個人名義での契約になったため、その際には金額的に大きな出費があると思います。
転職の際に引っ越しをしないままでの契約を選んだため個人名義での契約となりました。
本ブログでは、住居を変更するわけではなく名義を変更する際の注意点をまとめていきます。
目次
名義変更とは

まず名義変更についてです。
会社が借り上げている場合は会社名義の契約となっているはずです。
転職や退職を理由に会社名義から個人名義に変更することは多々あることかと思います。
このとき「いやいや、住居が変わるわけではなく名義が変わるだけであればそこまで契約とかお金とかかからないでしょ」と思うかもしれません。

私もそう思っていました。
この名義変更というのは法律上定められた概念ではないようです。
あくまでも原則は会社名義の契約を解約し、新しく個人名義で新規契約を結ぶという手続きが必要なようです。
この新しく個人名義で新規契約を結ぶというのが厄介です。
新規契約となるので敷金や礼金・仲介手数料などが必要になるためです。
これを回避するために「賃借人の地位継承の覚書」を締結するやり方もあるようです。
地位継承の覚書だけでよいので手続き費用が数万円で済むケースが多いようです。
これはオーナーさんの意向によるものであるそうなので、常にオーナーさんと懇意にしておくことが重要ですね。
仲介会社に連絡する際にもまずはこの「賃借人の地位継承の覚書」ができないか聞いてみるとよいでしょう。
ただし、仲介会社は仲介手数料だったりを回収するため新契約に話をもっていく傾向がありますので直接オーナーさんに交渉するのが望ましいです。
新契約する際の手続き費用
個人名義で契約をする場合、一般的に以下初期コストがかかります。

引っ越しするわけではないのに必要なのは解せないですが仕方ないですね。
【手続き費用】
- 敷金(家賃1か月)
- 礼金(家賃1か月)
- 前家賃(家賃1か月)
- 仲介手数料(家賃半月分~1か月分)
- 火災保険
- 保証会社加入費用(連帯保証人と保証会社の両方が必要となるケースがある)
これらの手続き費用を払おうとするとおよそ家賃3か月~5か月分が必要となります。
さすがに家賃数か月分のお金は大金になりますので以下交渉および確認が必要です。
コスト削減のための注意点・交渉点

家賃数か月分の費用を削減するにはどうすればよいでしょうか。
ここでは私が実際に確認・交渉して1.5か月分の費用を削減した方法をお伝えします。
敷金について
敷金については、まず会社名義の契約時に会社もしくは個人のどちら負担で支払っているのか確認しましょう。
会社名義の契約時にも個人で敷金の支払いを済ませているのであれば、新契約の際に敷金を支払う理由がなくなります。
会社が支払っていても退去時の扱い方を確認することが重要です。
細かいところですがしっかり確認しましょう。

私の場合は会社名義で支払いをしていたので、新契約時に敷金の支払いが必要でした。
礼金について
礼金の考え方もオーナーによります。
そもそも礼金とは入居時に部屋を貸してくれたオーナーさんに御礼の気持ちをこめてお渡しするお金のことです。
引っ越しをせずに入居したままであるのに礼金をもう一度支払う理由が見当たりません。
交渉する際には会社名義での契約時に一度礼金を支払っていることを確認し、その旨を伝えてみましょう。

私の場合はこの礼金が当初家賃1か月分と聞いていたのですが、上述の交渉をして礼金免除してもらいました。
前家賃について
前家賃もオーナーさんの意向によります。
見積にこの費用が含まれている場合は、いつの家賃のことなのかしっかり確認しておきましょう。
不明な金額があることはよくないので、支払う必要があるお金はそれぞれ深堀しておくことが重要です。
仲介手数料について
仲介手数料の金額も大きいためしっかり整理しておきましょう。
まず仲介手数料とはなんでしょうか。
宅建業法上次のように仲介手数料は定義されています。
【宅建業法46条】
宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買、交換又は賃借の代理又は媒介に関してうけることのできる報酬の額は、国土交通大臣の定めるところによる。
【建設省告示1552第3】
宅地建物取引業者が宅地又は建物の賃借の媒介に関して依頼者の双方から受けることのできる報酬の額の合計金額は、当該宅地又は建物の賃借(中略)の1か月分に相当する金額以内とする。この場合において、居住の用に供する建物の賃貸借の媒介に関して依頼者の一方から受けることのできる金額は、当該媒介の依頼を受けるにあたって当該依頼者の承諾を得ている場合を除き賃借の1か月分の2分の1に相当する金額以内とする。
上述のとおり原則としては仲介手数料については家賃半月分以内と書かれています。
私の場合ははじめ家賃1か月分が請求されていました。
上述の契約を引き合いに出し、家賃半月分以下であるべきことを伝え家賃半月分の仲介手数料となりました。

名義変更だけなのでもう少し交渉できたかもしれません。。。
ほかにも不動産会社によってはHP上で仲介手数料について言及している会社もいますのでしっかり確認しておきましょう。
火災保険・保証会社加入費用について
会社名義から個人名義となるので必要になる費用です。
保証会社の加入は必須になっている賃貸が多くなっているため基本的に加入が必要なようです。
連帯保証人を追加してのプランなど確認をして手続きしましょう。
そのほか交渉の材料や注意点
主に仲介手数料と礼金について交渉することになると思います。
その際の交渉材料を上述で挙げた以外に整理します。
居住権について
住居をそのままに名義を変更する本ケースでは居住権も最終的な交渉材料としてあります。
すでに数年間住んでいる住居であるのであれば、新契約の内容に同意せずとも家賃を支払いし続ければ基本的にオーナーは強制的に追い出すことは困難となります。
入居者が同一である以上、そのまま住み続ければ退去させる「正当な事由」にはなりづらいそうです。

あくまでも最終手段ですね。
揉める可能性もあるので注意して交渉カードを切ってみるのじゃ。

仲介手数料の交渉について
次の交渉の仕方もあります。
- 仲介手数料には物件案内なども含まれることを強調し、値段を下げてもらう
- 他社を引き合いに出す(名義変更の場合は使いづらい)
- 明確な金額を出して交渉する
- 法律上の原則家賃半月分であることを強調する
仲介手数料の費用の中に物件案内や移動費・人件費が含まれているのであれば、本ケースではすでに住居に住んでいるため物件案内もありません。そのため費用がかかっていないことになります。
ここをつつくのであれば仲介業者に仲介手数料の内訳を聞いてみるとよいでしょう。
物件案内の費用も無く仲介手数料の費用が入居時と変わらないのであればおかしいと指摘できますし、書類作成費用だけで数万円分は意味不明なので指摘できます。
どこかの判例でも書類作成費用は1万円程度という事例があるようです。
それくらいまで仲介手数料は下げられるかもしれないですね。

私はこの交渉材料をあとで思いついたので使えませんでした。これがあればもう少し値段を下げられたなと。。。
経年劣化の取り扱いについて
名義変更の場合は経年劣化の取り扱いに注意が必要です。
すでに数年住んでいるのに名義変更をしたことにより新契約時からの経年劣化としか見られないケースがあるようです。
こうなると数年住んでいても、その数年分の経年劣化が考慮されずに新契約時からの劣化と判断されます。
数か月しか住んでいないのに数年分の劣化があるとみなされ現状復旧費用が膨大になります。
そのため経年劣化の取り扱いが新契約時にどうなるのかも明記しておくとよいでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
私の実体験も含めて交渉材料をまとめてみました。
1番は地位継承の覚書ですが、少しハードルが高いかもしれませんね。
新契約になったとしても削減できるコストはあると思いますので、遠慮せずに交渉してみましょう。
では最後に本記事を五七五でまとめてみたいと思います。(本ブログ恒例です。)
内訳は?
その費用なに?
いざ交渉
とことん気になるところはついていきましょう。
交渉は権利です。
日和ることなくがんばりましょう。
他のまとめ五七五は以下にまとめていますよ。
記事:これまでのまとめ五七五
ではではー。