【ONE PIECE FILM RED】風のゆくえのMV解釈・考察

2022年8月27日現在、興行収入100億円越えのヒット作となったONE PIECE FILM RED。
こちらのエンディング曲「風のゆくえ」のミュージックビデオ(MV)が素晴らしく解釈など考察してみることにしました。
誰得なのかわかりませんが、ごゆっくりどうぞ。
ネタバレ嫌いな方は映画をご覧になってからいらしてください。
※映画自体の感想はこちらから↓
記事:ONE PIECE FILM RED 感想まとめと考察(覇気と天竜人)

どの曲も好きですが、ミュージックビデオの素晴らしさを感じたのは本作でした!
曲の概要

Lyrics & Music:Hata Motohiro
https://www.office-augusta.com/hata/
Arrangement : Tomi Yo, Hata Motohiro
Drums : Noriyasu “Kaasuke” Kawamura
Bass : Yu Suto(XIIX)
Acoustic Guitar : Hiroomi Shitara
Strings : Koichiro Muroya Strings
Flute & Piccolo : Hideyo Takakuwa
Oboe : Satoshi Shoji
Horn : Otohiko Fujita, Tomoyo Shoji
Harp : Tomoyuki Asakawa
Percussion : Ryoichi Kayatani
Chorus : Shiori Sasaki, Mayumi Watanabe, Mika Akiba, SAK., Kenta Isohi, Keisuke Oyama
Acoustic Piano & Other Instruments : Tomi Yo
Yu Suto(XIIX)by the courtesy of TOY’S FACTORY INC.
Musicians Coordination : Noriko Sekiya (Face Music)
Recorded & Mixed by Yasuhisa Kataoka
Recording Assisted by Mio Hirai, Reina Ooki(SoundCity), Sohei Miyamoto(ONKIO HAUS), Mai Kondo, Asuka Tsuji(LANDMARK STUDIO)
Recorded at SoundCity, ONKIO HAUS
Vocal Edit : Kazuya Maeda
Mixed at LANDMARK STUDIO
Production Director : Chie Miyasaka(OFFICE AUGUSTA)
Movie:東映アニメーション ONE PIECE from TV animation
言わずもがな、本曲はバラード曲のヒットメーカー秦基博が作詞作曲した曲となります。
それだけで涙腺がやられるというのに、今回はミュージックビデオをつくっているのが東映アニメーション!
アニメ制作会社の、さらにはアニメーションの力を感じたミュージックビデオでした。
ひとまず動画と感想
とにかく美しい映像とカット割り。
部屋を俯瞰してみるところや、風が吹いている描写。
赤い女の子視点と白い女の子視点など、なんともエモい演出。
動画としての構成も面白い。
個人的に好きなのは「心に帆を揚げて~」の部分で女の子二人が船に手を振っているシーン。
そして時系列をバラバラにすることで最初と最後がつながる。
いろんな解釈あると思いますが、個人的には赤い女の子が亡くなってしまい、その葬式をするシーンだと思われます。
手をふんわりあげてピアノを弾き始めるところでミュージックビデオが終わるところとかかなり好きです。
ハッピーエンドでもなく、バッドエンドでもない。
前を向いて進み始めるような演出に涙無しには見れません。

ウタのラスト・歌詞の意味、映像の演出も合わさりかなり泣けました。
それでは続いて、ほかの方々の考察をみていきましょう。
いろんな人の考察
MV考察
— はと (@18_hato) August 24, 2022
孤児院で出会った2人。それぞれの幸せの形の違いにより(物理的に)離れてしまったけど、ウタの髪型っていうのが2人を繋ぐモノで、最後白い子は夢の為にピアノに向かった。という事でしょうか??
#ウタ_風のゆくえ#OP_FILMRED pic.twitter.com/4PfQVNgWjh
風のゆくえの考察してみました。
— しゅむ🥀💙@蜃気楼行きたい… (@syummmmmmm) August 24, 2022
MV中の花と花言葉も調べてみたので良ければ見てみてください。
#ワンピースフィルムレッド #ウタ
#ワンピース #ウタ_風のゆくえ pic.twitter.com/KaeAFtJmEM
このMV ふたりに分かれてるのって
— ウタ (@uta_03k) August 24, 2022
現実世界とウタワールドのふたりって思って観てたんだけど、違うのかな🤔
色んな考察見たい。
#ウタ_風のゆくえ
いろいろな解釈があって面白いですよね。
花言葉の意味まで調べている方がいらっしゃってさすがだなと思いました。
多くの考え方を見つつ、自分なりの解釈・考察をしていきたいと思います。
長くなりますがお付き合いください。
動画どおりの流れで解釈
はじめに髪が赤と白で結われ、白いワンピースの少女らしきカットから始まります。
これはウタ本人なのか。
MVに登場する赤い女の子もしくは、白い女の子、はたまたまったく異なる女の子か。
続いて白い髪の女の子が草原のようなところで寝転がり目をつぶっているシーンとなります。
黒い服を着ているのもポイントですね。
葬式前に風に身を任せているような演出。
曲としてもイントロがかなり壮大なオーケストラで広大な空をイメージさせる部分になっています。
曲の壮大さに合わせて、少女をズームから数コマで遠くに離していく。
ここからも一枚の絵の見せ方が一味違うなと思わされます。
少女がこれまでの思い出を思い出しているという描写になっているという考察をされている方がいて、なるほどなと思った描写です。
続いて足元だけを映したシーン。
黒い服と白い靴下と革靴らしき靴。
初めにこのシーンをみても何のこっちゃですが、時系列を整理するとお葬式前のシーンと思われます。
他の子達が右側に進んでいくところ、真ん中の少女は立ち止まっています。
外をみて赤い女の子のことを思っているのだと思います。
次はピアノを弾いているシーン。
実際の曲とも合わさっていてすばらしいシーンですよね。
最後のところで伏線回収されますが、おそらくは「風のゆくえ」を白い髪の少女が赤い髪の女の子の葬式で弾いているという描写ではないかと思います。
動画でのピアノを弾くたどたどしさが何とも言えないです。
このシーンを観るだけでも白い髪の女の子がたくさん練習したのだと、2回目の視聴では泣けるシーン。
ここからは記憶と思われる描写。
左の白い髪の女の子と新たに赤い髪の女の子が登場します。
2人で外を見ているシーンです。
コップに歯ブラシが入っているところも重要なポイントです。
ここから、2人はどこかの部屋でベッドが隣になっているのだとわかります。
孤児院もしくは、闘病のための病院施設ではないかと考察しています。
秀逸なコマ割りがきました。
ピアノが置いてある部屋で赤い髪の女の子がピアノを弾いて、白い髪の女の子が絵を描いているシーンです。
俯瞰の図であることから、パッとみて何をしているのかわかります。
しかし、俯瞰にすることで2人の顔をあまり映さないことで最後の2人視点の映像がエモくなるという。。。
同じ構図を何度か出していくのがにくい演出ですよ。
机が何の資料を置いているのか考察しがいがありそうです。
子供たちも入れていることから、そこまで重要な書類が無いんでしょうね。
窓枠からも明るい日差しが入っており、2人も半袖であることから春・夏あたりだと思われます。
白い髪の女の子は当初ピアノには興味が無いのだとこのシーンで認識させるというところですね。
これは他の考察を見ますと、「一輪草」ではないかとのこと。
開花月は4月~5月ごろとのことで先ほどまでのピアノシーンが春ごろのシーンではないかと思わされます。
この花の花言葉は「追憶」。
また、別名「アネモネ」といい「風の花」とも言われるらしい。
このあたりのシーンではしっかり風が吹いている!
ここからも白い髪の女の子が追憶している暗喩をしているのではないかと思慮します。
今度は窓の外からの描写です。
先ほど部屋の中からの構図を見せていることで、2人がタンスの上に乗って一緒に何かをみているのだとわかります。
赤い髪の女の子の方が少し大きいことから少しだけ年上ではないかとこのあたりでわかってきます。
そして2人は何かを待っているような描写です。
おそらく後々から出てきますが船(海賊船?お迎えの船?)を待っている、もしくは探しているのだと思われます。
ここは判断が分かれるところですが、この二人の女の子が「ウタ」の心理描写的な比喩であればシャンクスの船を待っている描写とも見えます。
一方、この2人はウタとは別人物で実在すると思っているため別の船と思われます。
単純にいつも同じ施設で何も変わり映えが無いけれども、たまに通る船(どこにでも行ける)に憧れを抱いていたのではないでしょうか。
また、2人の前髪が少し異なるのも重要なポイントですね。
赤髪の子は前髪が短く、白髪の子は前髪が長い。
ウタの髪形に合わせているんでしょうね。
風がしっかり吹いている描写です。
この施設にもしっかり風が吹いてきています。
「風のゆくえ」というタイトルからも風に需要な位置づけをしていますね。
今度は飛んで秋のシーン。
2人が長袖であることやイチョウと思われる木の下にいることから秋ごろと思われます。
イチョウと思われる木の下で白い髪の女の子が下を見て何かを探しています。
赤い髪の女の子がおそらく何か言って探させているのでしょう。
ここにきて気づきましたが、ここまでずーっと2人を遠くから見ている描写が多いですね。
続いて葉っぱ船を流すシーン。
これは夏ごろですかね?
自然で遊ぶもの代表なようなもので同じくよく作ったものです。
これだけの描写でも、赤い髪の女の子が教えてあげて一緒に白い髪の女の子と流していることが想像できます。
直接みせないのも粋ですよね。
これは白い髪の女の子の視点なんですかね。
視野が狭くて、ものをじっとみている。
そういう意味でいくと、葉っぱ船を流しているのはやはり赤い髪の女の子だと思われます。
今度は何気ない日常描写。(ずっと日常描写ですが…笑)
ほんとにクルクル描写が変わっています。
追憶しているときにはこんな感じでいろんなときの記憶が思い返されているんですよね。
そして2人ならんで歯磨きしているのも日常といえどかなり感慨深くなるんでしょうね。
1回目に観るときと、2回目に観るときは違いますね。
このシーンでも赤い髪の女の子が白い髪の女の子を引っ張り起こして一緒に歯磨きしてあげているんだろうなと想像ができます。
白い髪の女の子は寝ぼけながら、髪がぴょこんと跳ねているのも可愛いですね。
またもピアノ部屋の描写。
2人が長袖を着ていることから、おそらくイチョウの木の下で遊んでいた秋ごろと思われます。
少し白い髪の女の子がピアノに近寄ってきましたね。
日差しから夕方ごろだと思われます。
そして同じくピアノ部屋。
今度は2人がノースリーブなので夏ごろだと思われます。
机近くのごみ箱が綺麗になって机も片付いていることから、大人も近くにいない夜の音楽室的な感じでしょうか。
2人で夜に抜け出してピアノ部屋で静かに語り合う。
そんな描写ですかね。
こんな思い出も尊い…
そして今度は長袖なので秋もしくは冬のシーン。
赤い髪の女の子のピアノを弾き、白い髪の女の子が歌いながら踊っているんでしょう。
すべてウタの歌を歌っているのではないかと思っています。
ここでもしっかり風が入ってきています。
2人の顔が近いので、最後の方のシーンの上下反転している赤い髪の女の子を白い髪の女の子が見てるシーンはここでしょうね。
他のみんながどこかに行っているのか、寝室にはこの2人だけで天井を眺めながらぼーっとしている。
そしてお互いに見つめあうところが最後にくるんですね。。。
今度は秋のイチョウのシーンに戻る。
白い髪の女の子が転げまわったのか、赤い髪の女の子のが後ろについたごみを取ってあげているシーン。
ここのシーンからも二人の関係性がよくわかりますね。
今度は黒い服を着ていることからお葬式の前後のシーン。
風が吹いているスカートのお尻あたりを抑え、おそらくは白い髪の女の子が赤い髪の女の子に何度もお尻のごみを手で払ってくれたことを思い出しているんでしょう。
それを一瞬だけのコマ割りで魅せる東映アニメーションがにくいねー。
夏のノースリーブで赤い髪の女の子が白い髪の女の子を引っ張ります。
全部赤い髪の女の子がリードしてあげていたんだなーと読み取れますね。
そして飛び込み。
2人ともかなり活発ですね。
曲調とも相まって尚よし。
またもや夏に船に向かって手を振るシーン。
ここ好きですねー。
歌詞とのマッチに合わせてかなり好きです。(2度目)
子供が飛行機や新幹線に手を振るようなものなのでしょう。
船はドクロマークも描かれていないので、海賊船ではなく一般の船なのだと思われます。
おそらくは夏のピアノ部屋での描写。
秋の俯瞰図でも同じようにクルクル回りながら歌っていることからいつもこのように歌っているんでしょう。
この構図は赤い髪の女の子から観た視点なのだと思います。
ほんとに楽しく笑顔で歌っていますね。
ここも重要な描写。
2人ともウタのファンなんでしょう。
赤い髪の女の子が白い髪の女の子にウタの髪の結い方を教えてあげています。
(更新)ここ!何度も観ていたら白い髪の女の子がピアノを弾く練習の手をしているんですよね。。。
演出が細かい…
ここは何の描写なんでしょうね。
バルーンをもらえるのはお祭りとかです。
2人は孤児院(もしくは闘病関連)の施設にいるという推察をしていますので、2人は両親がいないことからお祭りのときに親子で手をつないでいるところをみて何か思うところがあったんでしょう。
2人で固く手をつないでいるのが健気で泣けてきます。(拡大解釈ですかね?)
このあたりから楽しい描写と悲しげな描写が増えてきます。
ここにきてなぜか白い髪の女の子が一人だけで外を眺めています。
赤い髪の女の子のものと思われる歯ブラシがなぜか左側に寄せられて。。。
今まで明るい場面が多かったですが、ついに一輪草が枯れる描写です。
暗い部屋で枯れてしまっており、何かを暗喩しているのでしょうか。。。
ここから風が止まっているシーンが続きます。
「風の花」が枯れたからでしょうか。
風が止んでしまっています。
そのためのこのアングル描写なんでしょうね。
本棚やシーツに意味があるのか?と考えてしまっていましたが、風が吹いていないことをしっかりとわからせるために置いているコマですね。
そして突き進んでいた草の船も止まっている描写。
わびさびの描写がいくつか出てきているだけかもしれませんが、ウタの死と合わせてちょっと暗い部分をみせてきています。
そして雨の日に傘をさしているおそらくは赤い髪の女の子。
水がぽたぽた落ちる箇所が絶妙で涙を流しているように見せる。
ここはすばらしい見せ方ですね。
考察にもよりますが、黒い服を着ているように思えます。
泣いている描写から、赤い髪の女の子の孤児院(もしくは闘病施設)での友人が亡くなった(もしくはいなくなった)ときのシーンなのでしょうか。
ここまでいなくなるということは闘病するための施設という線も出てきていますかね。
と思いつつ、ここではお別れっぽいシーン。
曇りになっており2人が正面で手をつないでいる。
赤い髪の女の子は顔を見ようとしているが、白い髪の女の子は俯いてしまっている。
赤い髪の女の子は覚悟ができているが、白い髪の女の子は悲しくて泣いてしまっている。
これは孤児院から出ていくシーンなのでしょうか。
もしくは他の病院施設に移るシーン。
はたまた、赤い髪の女の子が死期が近いと告げているシーンでしょうか。
それにしても悲しげ。
場面変わってピアノ部屋のシーン。
大人の男性がここだけ出てきています。
謎ですね。
白い髪の女の子は今まで絵を描いているか踊っている場面でしたが、紙を見ています。
おそらくは譜面ではないかと。
→(追記)あとあとから何度も見直ししていると、やはり譜面のようです。
そして一人で立っている白い髪の女の子。
赤い髪の女のと手を握り合っていた場所に喪服のような服を着て一人で立っている。
おそらくは葬式前に思い出しながら佇んでいるのでしょう。
そしてまた記憶の描写で夜にこっそり花火をしに行くシーン。
ここでやっと他の子供たちもいることがわかります。
病院ですかね?
そして重要なピアノを教えているシーン。
赤い髪の女の子が白い髪の女の子にピアノを教えてあげていると、このズームの構図からもわからせる。
おしゃれですね。
これも白い髪の女の子目線でしょうね。
そこから、髪を拭いてもらったり、ピアノを教えてもらったり、おんぶしてもらったりのシーンが続く。
こうやって思い出しているんでしょうね。。。
泣ける。
そして手が離れていくシーンを重ねることで死を連想させる。
海のシーンもあったのでおぼれたのか?と一瞬思いましたがそういうわけではないのでは?とも思っています。
おそらくは比喩表現かと。
そして歯ブラシがないコップ。
ここからも赤い髪の女の子がいなくなったということがわかります。
コップは次に隣のベッドにくる子が使うことになるのでしょう。
歯ブラシは当人のもので、コップは受け継がれていくものなので置いたまま。
だけれどもしっかり風は吹き始めている。
これは紫苑という花のようです。
花言葉は「君を忘れない」。
完全にそうだろう。
これはウタの死に向けた意味も含まれているのでしょう。
歌詞ともつながってきます。
「私が消え去っても歌は響き続ける」
そしてそこからの怒涛の白い髪の女の子目線でのカメラワーク。
思い出のシーンが白い髪の女の子目線でもう一度繰り返されます。
ここからもう泣ける。
今までは画面が揺れる演出はなかったですが、この女の子目線シーンでは揺れることでそれを表現している。
見事ですね。
そして冒頭のシーンに戻る。
少女が目覚めます。
孤児院の主人?に呼ばれ屋敷に戻る少女。
これまでは赤い髪の女の子にお尻の草などを払ってもらっていましたが、自分で払いしっかりとした足取りで歩いています。
ここにこの動画の骨子がありますよね。
悲しみに明け暮れるのではなくしっかり前を向く。
かっこいい。
続いて赤い髪の女の子目線でも描写を入れるのがさすが。
同じシーンでも俯瞰・女の子A目線・女の子B目線と変えることでこんなにも情報量が違うのかと。
特にこの表情。
濡れていた髪を拭いてあげて、何かを告げたシーンなんですかね。
衝撃・驚きの表情がこの一枚だけからも十分に伝わってきます。
この表情一枚入れるだけで、この赤い髪の女の子の存在がいかに重要でいなくなることがショックだったのかが泣く描写を入れなくてもわかる。
そして赤い髪の女の子に向けて笑顔の白い髪の女の子。
やはりよくみると、この時見ていたのが譜面だとわかりますね。
楽しい笑顔の思い出と悲しい表情を織り交ぜることでジェットコースターのように感情を揺さぶってきます。
すばらしい演出ですよね。
そして一人でウタの髪の結び方をするシーン。
伏線回収というか、この5分弱で何個伏線回収するのかと驚き。
構成と時系列の組み合わせ方が秀逸なんでしょうね。
そして驚きの葬式だとわかるシーン。
赤い髪の女の子に教えてもらったピアノを凛々しく座って弾き始める描写がすばらしい。
この5分間弱で何個も気づきを与えるアニメーションになっていますよね。
俯いて歩いてくるわけでもなく、堂々と歩いている姿。
赤い髪の女の子からピアノを受け継ぎ、新たに白い髪の女の子が曲を弾く。
そして冒頭に戻り、弾いている曲はおそらく「風のゆくえ」。
ウタの思いもここで響き渡っていくということを示唆しているのかと思うとさらに泣ける。
他のウタの曲におけるMVではウタ本人が出てきています。
しかし本作は一番初めのカット以外は出てきていない。
なのでこの少女2人がウタの曲を引き継いでいっていることを示したかったのかなと思っています。

音楽・映画シナリオ、ウタの思いと相まってかなり感動的なアニメーションになってますよね。
白い女の子と赤い女の子の解釈
ここはいろんな方の解釈があるように思います。
他の方も考察していましたが、私は次のように考察しました。
白い髪の女の子は「世界のつづき」で出てきた白い髪の女の子ではないかと。
両親といたけれども離れ離れになった白い髪の女の子のように思えます。
ウタの歌に触れるまでは暗く、ごはんも食べれない日々を過ごしていた。
ウタの歌に触れることで前向きな性格になっていったのではないかと考えています。
髪の長さも少し「風のゆくえ」の少女よりも短いことからもう少し幼いときだったのでしょう。
風のゆくえのMVでは終盤にウタと白い髪の女の子がいろんな季節で一緒に歌っています。
ずーっとウタの歌が寄り添ってきてくれたのだと思うとそれだけで涙腺がウォータセブンですね。
この女の子が「風のゆくえ」のMVに出てくる孤児院(もしくは病院)に来て、赤い髪の女の子と「ウタ」の歌で意気投合。
どちらとも両親がいなくて孤児院(病院?)に来て心細かったが歌でつながった。
白い髪の女の子はピアノを弾けなかったが歌って踊ることはできた。
途中からピアノにも興味を持ち出し「風のゆくえ」のピアノを教わる。
赤い髪の女の子の思い・ウタの思いを引継ぎ、「風のゆくえ」をお葬式で弾くという流れかと。
「私が消え去っても 歌は響き続ける」
この一節に効いてくるんでしょうね。
すべての曲に言えることですが、ストーリーに歌詞が合いすぎですよね。
尾田先生がストーリーとどういう歌詞にしてくれとけっこう細かくオーダーしているんでしょうか。。。
それにしてもすばらしい。
ファンレターを送っていた女の子
また、ウタ日記で出てくるファンレターを送っていた重病の女の子のストーリーがあります。
こちらのウタ日記にてファンレターを送ってくれていた女の子の話が出ています。
私忘れられない手紙があるの
この世界のどこかに住む一人の女の子から毎月届いていたファンレター
その子は重い病気で入院していていつか家に帰れることを楽しみにしながら苦しい治療をずっと続けてたの
でもある日、家族が海賊に襲われて帰る家も迎えてくれる人もいなくなってしまった
一人で病気と闘う日々の中で唯一の楽しみが”あたしの音楽を聴くこと”だったんだって
トーンダイアルに録音して何度も聴いてくれてて
新曲が出るたびに曲の感想を小さな字でぎっしり書いてくれた
出典:【ウタ日記 UTA diary】#3 とおっ!!【FILM RED】
この女の子は病院施設にいる女の子ということで、白い髪の女の子や赤い髪の女の子のことかとも読めます。
白い髪の女の子については、「世界のつづき」にてそのような描写が出ていないでもないので白い髪の女の子がファンレターの女の子という可能性があります。
もしくは、赤い髪の女の子が出席した別の女の子のお葬式に出てくる女の子かもしれません。(それは救いのない悲しい話ですが…)
単純に白い髪の女の子の話で、以下のような流れでしょうか。
- 重い病気でどこかの病院施設で入院生活
- 両親家族を海賊に殺される
- ふさぎこんでいたがウタの歌に救われる
- 別の病院施設(赤い髪の女の子がいる施設)に移動する
- 赤い髪の女の子とウタの歌で意気投合
- 「風のゆくえ」のピアノを習う
- 「風のゆくえ」をお葬式で弾く
なかなか重たい話をさらっとやりますよねワンピース。
歌の最後について
歌詞には入ってきませんが、最後に「ふぅーうー」と風を吹くかのようなフェイク?を入れています。
ここも含めて曲なんでしょうね。
「風のゆくえ」というタイトルなので、最後に風を吹いて終わる。
みんなの夢を一押しするための風をやさしく吹いているような表現にここまで計算して秦さんは作詞作曲しているんですかね。
ただひとつの夢 誰も奪えない
私が消え去っても 歌は響き続ける
どこまでもあなたへ 届くように歌うわ
大海原を駆ける 新しい風になれ
「風のゆくえ」
「新しい風になれ」と歌ったあとに風を吹くフェイクなので、みんなのもとに曲とともに届くようにという思いをこめて風を最後に吹いているのでしょう。。。
泣けますね。
ここまで含めていい歌だ。
最後に
歌は間違いなく最高であり、映画も最高なことはもちろんMVアニメーションが本当にすばらしかったです。
構成や色合い、ストーリー、見せ方の構図からすべて美しい。
東映アニメーションの本気をみました。
新海誠監督のような実写に近い美しいアニメーションももちろん好きですが、本作のようなタッチもアニメーションの力が十分に発揮されていましたね。
おそらくこのMVは何度も観ることになるでしょう…
※映画自体の感想はこちらから↓
記事:ONE PIECE FILM RED 感想まとめと考察(覇気と天竜人)
さて、それでは最後に本ブログ恒例のまとめ五七五です。
風にのり
歌は帆をはり
響いてく
締めの五七五はまとめでも整理していますのでもしよければみていってください。
記事:これまでのまとめ五七五
ではでは。